はじめての政策提言【ブログ】

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はじめての政策提言【ブログ】

Waffleでは政策提言を活動の大きな柱のひとつとして捉えています。それは、ジェンダーギャップが個人の問題ではなく構造の問題に起因していると考えるからです。この記事では、過去1年間で行った政策提言について、2つのケースを用いてその意図と手順をまとめました。

はじめに

主な政策提言の方法

現在は、主に政策のパブリックコメント(パブコメ)が開いたときに意見をまとめて送るということをしています。パブコメが開くタイミングは、今のところジェンダーアクティビストのツイートや大学関係者との意見交換時など、人に聞くことが多いです。

今後はもっと計画的にしたいので、今は関係する政策や委員会などを調べて、チェックリストを作成中です。さらに、議員さんが法案を作る際のサポートなども視野に入れていきたいです。

第6期科学技術・イノベーション基本計画

概要

「科学技術・イノベーション基本法に基づき、科学技術・イノベーション創出の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため」の5年計画を定めたものがこの基本計画です。

パブコメ提出までの手順

  1. パブコメ募集のページにいきます。
  2. 全文の目次を読み、該当箇所を探します。Waffleにとっての該当箇所とは「科学技術関連の教育におけるジェンダー格差是正」に関わる部分です。この場合は、「第2章 2知のフロンティアを開拓し価値創造の源泉となる研究力の強化」および「第2章 3一人ひとりの多様な幸せと課題への挑戦を実現する教育・人材育成」でした。
  3. 該当箇所をGoogle Docにうつして精読し、気になるところや不足分にコメントをいれます。Waffleでは3人くらいでこの作業にあたり、抜け漏れがないようにします。
  4. 3のコメントなどを整理して、伝わりやすい文章にまとめます。(Waffleではこのようにまとめました
  5. パブコメ提出方法に沿って、4を提出します。今回は1回500字以内のフォームだったので、それにあわせて多少の編集をいれました。

パブコメのねらい

私たちのコメントが政策に反映されるのが最終目標です。本来ならば、普段から官僚の方や議員さんとの議論を通じ、基本計画に載せる内容についてインプットしておくことが好ましいです。その段階を踏んでいないので、データなどの説得材料とともに(私たちの場合は)なぜSTEM教育においてジェンダー平等の視点が必要なのか、読んだだけでわかるパブコメを送ることを心がけています。パブコメとしてきたものの実現方法がわからなかったり、突飛である場合はそれを採用することができないと考えられるからです。また、該当箇所も具体的に示すようにしています。「第2章2(b)③について」など。

さらに、内容だけではなく項目の立て方について意見することもあります。例えば、今回は女子中高生へのSTEM施策について、教育に関するパートでは言及がなく、女性研究者に関するパートにのみ言及がありました。私たちとしては、女子中高生へのSTEM施策は大学が独自で設計するだけでは不十分で(例:夏の女子向けオープンキャンパスなど)、中等教育段階で教育の中の仕組みとして解決策が入るべきだと考えています(例:高校の先生に無意識のバイアスに関する研修をするなど)。そのため、「第2章 3に新しく『ジェンダー平等な教育』に関する項目をたて、 XXXというような内容を含めることを要求します」のような、基本計画の構成に関することも今回のパブコメに含めました。このように新しい項目がたてば、そこに新しく予算がつく可能性も考えられるからです。

第5次男女共同参画基本計画

概要

「男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会」を目指して作られる5年計画です。

パブコメ提出までの手順

  1. 全文目次を読み、該当箇所を探します。Waffleにとっての該当箇所とは、「第4分野 科学技術・学術における男女共同参画の推進」となります。
  2. 該当箇所をGoogle Docにうつして精読し、気になるところや不足分にコメントをいれます。
  3. 2のコメントなどを整理して、伝わりやすい文章にまとめます。
  4. これはユース提言として#男女共同参画ってなんですかの方が取りまとめて下さったので、一般とは異なる方法で提出することになりました。詳しくはこちらをご覧ください。

パブコメのねらい

これも第6期科学技術・イノベーション基本計画と同じですが、このときは特に数値目標に拘って提出したように思います。私たちのコメントの全文はこちらから確認できます。

まとめ

以上、たった2つのケースですが政策提言のイメージがついたでしょうか?今後は基本計画などの大きいものに留まらず、他にも声を届ける方法を模索していこうと考えています。一緒に活動してくださる方や、ノウハウをシェアしあえる方がいらっしゃったら是非一度お話できると幸いです。