【2021年夏】女子中高生向けコーディングコース「Waffle Camp」開講レポート

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【2021年夏】女子中高生向けコーディングコース「Waffle Camp」開講レポート

はじめに

一般社団法人Waffleでは2021年夏、女子中高生向けコーディングスクール「Waffle Camp」を合計10回開催することができました。本記事では、全10回の参加者の傾向や成果についてご報告いたします!

一般社団法人Waffleとは?

Waffle(ワッフル)は、IT分野のジェンダーギャップの解消を目指す非営利法人です。国内の女子中高生へのオンラインIT(コーディング)コース「Waffle Camp(ワッフル・キャンプ)」の提供、日本国内での「Technovation Girls(テクノベーション・ガールズ)」のサポート、企業との協働による各種イベントの開催をしています。また、「第5次男女共同参画基本計画素案」に対するパブリックコメントをはじめとする、政策提言も積極的に行っています。2020年第4回ジャパンSDGsアワード「SDGsパートナーシップ賞」受賞。2017年活動開始(2019年法人化)。所在地:東京都渋谷区、代表理事:田中 沙弥果、共同代表:斎藤 明日美。

HP:https://waffle-waffle.org/

Waffle Campとは?

「Waffle Camp(ワッフル・キャンプ)」は、「これからのITをカラフルにする女の子たちへ」をコンセプトに、一般社団法人Waffleが独自で開発したウェブサイト開発のスキルとプログラミング学習コミュニティを提供するプログラムです。「プログラミングへの興味はあるけれど継続的に学習する場がない」といった女子中高生の声をもとに開発されました。

プログラム内容は、事前学習、1日オンライン研修、2週間の事後学習と、IT分野のキャリアをイメージできるよう、現役の女性エンジニアによる「ロールモデルとの対話」を組み合わせており、女子中高生のIT分野への進路選択も支援しています。

Waffle Camp HP:https://www.camp.waffle-waffle.org/

Waffle Campの流れ:https://waffle-waffle.org/2021/09/02/wafflecamp-flow/

WaffleCamp(2021年夏)成果報告

開催概要

2021年夏は全10回のWaffle Campを開催しました。また、そのうち2回は神奈川県横浜市(横浜市男女共同参画センター)、もう2回は徳島県徳島市と連携し、地元の女子中高生を対象に、公益財団法人日本財団(東京都港区、会長:笹川 陽平)の「2021年度助成金」による助成のもと、Waffle Campを無料で提供しました。(以後、神奈川県横浜市との開催分を「横浜市版」、徳島県徳島市との開催分を「徳島市版」、それ以外を「通常版」と表記します)

日程場所対象参加費(税込)参加人数
7月18日
7月25日
8月1日
8月8日
8月22日
8月29日
オンライン女子中高生
(地域は問わない)
21,780円36
8月2日~3日
8月18日~19日
アートフォーラムあざみ野

18日~19日はオンライン(緊急事態宣言による変更)
横浜市内の中学2年生~高校2年生の女子無料16
8月14日
8月15日
オンライン徳島市在住または在学の女子中高生無料15

参加者の傾向

全体として中学生の割合が高い傾向にありました。また、通常版は私立校生の参加率が高いのに対して、徳島市版は国公立校生が9割を占めました。(横浜市版はデータなし)これは2021年現在、徳島県内に私立高校が3つ、私立中学は2つのみという状況のため、必然的に国公立の学校に通う比率が高いことが要因となっています。

自治体との連携や日本財団の助成によって「参加費無料×自治体独自の集客力」が実現したことで、地方の公立校生というような従来のWaffleではリーチできなかった層を含む幅広い学生さんが参加してくれました。

実際、通常版は知人、両親からの紹介でWaffle Campの存在を知ったという学生さんが半数近くを占めた一方で、徳島市版では新聞、市役所、学校でWaffle Campを知ったというケースが多く見られました。

通学先(通常版のみ)

通常版は参加学生の地域の縛りがなかったため、どの地域からの参加者が多いのかを調べたところ、全国各地から学生さんが参加してくれていました。割合としては、東京・神奈川・千葉・埼玉といった東京圏からの参加者が多い傾向にありました。

Waffle Campに参加した理由

Waffle Campへ参加した理由は、おおむね「プログラミングに対する興味」「身近な人からのすすめ」「進路・キャリア選択の参考にするため」のいずれかに該当する結果となりました。

プログラミングに対する興味(一部抜粋)

  • 以前から興味があり、取り組む方法を探していたから
  • プログラミングを学ぼうとしていたが、ノウハウが分からないので、話を聞きながら挑戦したかったから
  • 自分のページがつくれたら、そこで自分の考えをもっと共有できると思ったから

身近な人からのすすめ(一部抜粋)

  • 両親や兄弟からすすめられた
  • プログラミング教室の先生からすすめられた

進路・キャリア選択の参考にするため(一部抜粋)

  • プログラミングの知識がある方が将来役に立つと思ったから
  • 情報の授業が楽しい。プログラミングが好き。将来AI関連の職種に就きたいと考えているから
  • 海外大学進学を希望しておりCSの学部について興味あり。文系で数学は苦手だが、興味のあるものはやってみようと思ったから

一般的に女の子はプログラミングやIT系の進路に興味がないと思われがちですが、こちらの結果からは「プログラミングやIT系の進路に興味はあるが、どうすれば良いかわからない層の存在」「身近な人からの後押しの重要性」が見て取れます。そういった層がITの世界に触れるための「はじめの一歩」として、Waffle Campが機能しているようです。実際、Waffle Camp受講前のプログラミング経験を確認したところ、約半数の学生さんが「未経験」と回答しました。(横浜市版はデータなし)

Waffle Campに期待すること

Waffle Campへの期待も事前に確認したところ、約半数がプログラミング初心者ということもあり、「初心者でもわかるペースで、ゆっくり丁寧に教えてほしい」といった意見が多くありました。その一方で、「自分が作ったサイトをどう活用するか」「どんなことに役立てられるか」など、IT(プログラミング)スキルをツールとして使いこなしていく方法を知りたいという、一歩進んだ要望もありました。

内容に対する期待(一部抜粋)

  • 自分オリジナルのWebサイトを作りたい
  • プログラミングを根本的に教えてほしい
  • Webサイトが作れたらどんなことに役立つか、学校や仕事でどう使えるのか、例を知りたい

雰囲気に対する期待(一部抜粋)

  • 楽しく頑張りたい
  • 初心者なので丁寧に(気長に)教えてほしい

苦手意識払拭に対する期待(一部抜粋)

  • プログラミングは難しいという心理的なハードルを突破したい
  • 数学への苦手意識を軽くしたい
  • コンピューターへの苦手意識をなくしたい

Waffle Campの成果

学生が作成したウェブサイト

参加してくれた多くの学生が、Waffleメンターのサポートを受けてウェブサイトを完成させることができました。傾向としては、K-POP・漫画・ゲームなど、自分が好きなものを紹介するウェブサイトが多く見られました。特にK-POPが最も人気があり、特定のグループやアイドルを紹介するものから、人気の曲をランキング形式で紹介するものまで、様々ありました。

そのほか、自身が飼っているペットや自作の絵をより多くの人に見てもらいたい、という思いからウェブサイトを作成する学生さんもいたりと、各々が自分の興味・関心のある分野のウェブサイトを自由に作成することができたようです。

学生さんが作成したウェブサイト(一部抜粋)

プログラミングと理系キャリアへの関心

学生さんに対してWaffle Camp受講前と受講後に「プログラミング」と「理系キャリア」それぞれへの関心度を5段階で尋ねました。参加学生は元からプログラミングや理系キャリアに高い関心を持っていた人が多かったため、受講前と受講後で数値(関心度)が変動していない人も多いですが、受講前に数値が低かった学生さんのもとでは大幅な数値アップが多く見られました。

なお、数値が下がった学生さんもWaffle Camp自体の感想としては「楽しかった」といったポジティブなものが多く見られたことから、このあたりについては今後より詳しい検討が必要です。

-2-10+1+2+3+4
通常版0人2人11人7人6人2人1人
横浜市版0人1人12人3人0人0人0人
徳島市版0人1人3人8人3人0人0人
プログラミングへの関心度の変化幅
-2-10+1+2+3+4
通常版0人0人13人12人3人1人0人
横浜市版0人2人7人6人1人0人0人
徳島市版1人0人4人4人6人0人0人
理系キャリアへの関心度の変化幅

WaffleCampに対する感想・評価

コーディングコースへの評価

通常版と徳島市版で、受講終了者に「講師による講義のわかりやすさ」「コーディングの分かりやすさ」「メンターのアドバイス」という3つの観点それぞれの満足度を5点満点で評価してもらったところ、平均4点台後半という高い評価を得ることができました。

講師による講義のわかりやすさコーディングの分かりやすさメンターのアドバイス
通常版4.8284.8284.966
徳島市版5.004.934.93
コーディングコースに対する評価(5点満点)

評価の理由には「丁寧なサポート」「親しみやすい雰囲気」「少人数制」という点が挙げられていました。事前にWaffle Campに対する期待を伺った際、「丁寧に教えてほしい」「優しくサポートしてほしい」といった意見が多く見られましたが、それらの期待には無事応えられていたようです。

丁寧なサポート(一部抜粋)

  • 説明がとても分かりやすく、スピード感も良かった
  • 付け加えたい内容を言うと、答えだけを教えてくれるのではなくて調べ方や他にも使うことのできるcssを教えてくれたのがすごくよかった
  • 少し聞いただけで他のことも教えてくれて、すごく良かったし、とてもかっこよかった

親しみやすい雰囲気(一部抜粋)

  • とても親しみやすく話しかけてくれたので、楽しくできた
  • 親しみやすく、優しく接してくださったので、すごくやりやすかった
  • ほめてくれるのでやる気が出た

少人数制(一部抜粋)

  • 1対2で指導してくださったので困ったときにはすぐ、気軽に質問ができた
  • 1人1人しっかり見てくれていて嬉しかった
  • 私が間違えてたところやミスがあればすぐに分かりやすく教えてくれた

キャリアトークへの評価

コーディングコース終了後に実施された先輩女性エンジニアによるキャリアトークは、学生さんに仕事やエンジニアというキャリアを身近に感じてもらうことにつながったようです。また、文系出身・海外在住・他キャリアからの転向など、多様なバックグラウンドを持つエンジニアによるトークがあったことから、「数学が苦手でも大丈夫だと知り驚いた」「海外に行ってみたくなった」「可能性は無限大だなと思った」「私もそうなりたいと思った」といった感想も見られ、学生さんにとっての身近なロールモデルの提供、エンパワーメントにおいてWaffle Campが機能していることも確認できました。

キャリアトークの感想(一部抜粋)

  • 学生の時は数学が苦手で文系だったというのを聞いて、数学が得意ではない自分もプログラミングを職にすることを目指せるのだと知り、驚いた
  • 同じIT系の進路でもたくさんの道があると知って驚いた。何よりメンターの方がとても楽しそうに話されていて、私も自分が幸せだと感じられる仕事に就きたい
  • 自分の可能性は無限大だなと思った

Waffle Camp全体の感想

Waffle Campへの総評としては、多くの学生さんが「楽しかった」「IT(プログラミング)に興味がわいた」「これからもプログラミングを続けたい」「挑戦していきたい」といったポジティブな意見をあげてくれました。

全体の感想(一部抜粋)

  • ほんとに楽しかったし、自分のロールモデルのようなメンターの方に教えてもらえてとてもよかった。大学で専門的に学んで、私もメンターの方たちのようになりたい
  • やり始めたら夢中になり、とても楽しい体験だった。今までウェブサイトは見る側で、作っている様子を見たこと体験したことがなかったのでとても興味深く感じた。これからもプログラミングを続けたい
  • 今まで、自分が得意じゃないことに挑戦するのは、はずかしいことというような意識があったが、今回のプロジェクトで「女性、年齢」に関係なく好奇心の向くままに、堂々といろいろなことに挑んでいきたいと思うようになった

おわりに

以上が2021年夏に開催したWaffle Campの報告です。次回は冬休みの時期に開催となる予定ですので、エンジニアや理系キャリアに興味のある方は、ぜひお気軽にご参加ください!

また、Waffle Campを共同開催していただける自治体さんや学校さんからのお声がけもお待ちしております。


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