AI時代のテックリーダーを育てる「Waffle College」第4期テックキャリアコース提供開始〜女性・ノンバイナリーの大学生・大学院生のための半年間の実践型プログラム〜

テクノロジー分野のジェンダーギャップ解消を目指す特定非営利活動法人Waffle(東京都港区、理事長:田中 沙弥果、以下Waffle)は、本年8月に開講するテクノロジー分野でのキャリアを目指す女子大学生・大学院生向けプログラム「Waffle College(ワッフル・カレッジ)(*1)」の第4期テックキャリアコースの提供を開始します(*2)。
Waffle College公式サイト:https://college.waffle-waffle.org/
【開催の背景】
近年、AIの急速な進展により、産業構造は劇的に変化しています。今後5年間で事務職、秘書職、窓口業務、郵便業務、レジ業務などの職種が大きく減少すると予測されており、その主な要因はデジタル化と自動化の加速と言われています(*3)。これらの職種は、日本において性別役割分業や固定観念により女性が多く従事してきたため、AIによる雇用の変容は特に女性に大きな影響を与えます。
さらに、日本は、OECD(経済協力開発機構)加盟国の中で、理工系に進学する女性の割合が最も低い国であり(*4)、AIリテラシーやSTEM分野に関する教育や学習の機会が、男性に比べて限られている傾向があります。このデジタル格差により、女性が新しい技術に対応しにくい状況が生まれ、将来のキャリア形成における機会の不平等が拡大するリスクがあります。
こうした時代の変化に対応し、ジェンダーによる機会の不平等を解消するため、Waffleは「Waffle College テックキャリアコース」を実施しています。特に、文系分野(経済・経営、教育、観光、国際協力など)を学ぶ学生にとって、テクノロジーを社会に活かす視点は不可欠です。今後、どの分野でもデジタルリテラシーが求められ、「使う人」から「創る人」「設計する人」への成長が、より良い社会の実現に直結します。
Waffleは、本プログラムの提供を通じて、誰一人取り残さない未来社会を支える多様なテックリーダーを育て、持続可能で包摂的な社会の構築を目指していきます。
【プログラムの概要】
Waffle Collegeテックキャリアコースは、主に未経験の大学生・大学院生を対象に、初心者から始められるデジタルスキル習得、キャリアの選択肢の広がりを目的とした半年間のプログラムです。
このコースでは、プログラミングやAI活用の基礎を学び、実践的なプロジェクトを通じてテクノロジーを課題解決に活かす視点を養います。プログラミング習得にとどまらず、AIの倫理、DE&I(多様性・公平性・包摂性)などについての学びを通じて、テクノロジーを社会に良い影響をもたらすために活用する力を身につけ、自信とリーダーシップを育みます。
プログラムの特徴として、学生同士のピア・ラーニング(仲間と学び合う学習手法)を重要視しており、継続して仲間と学べる環境を用意しています。
今回募集するテックキャリアコースは、書類・課題・面接による選考を実施し、半年間かけてIT技術を学びます。修了生は、技術職でのインターンシップ獲得、IT企業への就職、ハッカソンへの挑戦、情報系大学院への進学など、テックキャリアを歩んでいます。
また、修了後もWaffleの中高生向けプログラムで講師やメンター、プログラムの運営インターンとして活動する方も多く、修了生も含めたコミュニティとして継続的な学びと成長の場を提供しています。
<主なコースの内容>
・PythonによるWebプログラミング講座
・AI・コンピュータサイエンス講座
・チームを組んでのアプリ開発
・リーダーシップ、キャリア、ジェンダー講座
・参加者同士の交流
<過去の修了生の進路>
修了生の中には、文系(ビジネス専攻)からプログラミングをはじめとする技術を学び、講座でアプリ開発を経験する中でセキュリティへの興味を抱き、理工系の大学院に進学してセキュリティを専攻するなど、多様なキャリアパスを歩む例も見受けられます。
さらに、Waffle Collegeで出会った仲間とともに外部のハッカソンに参加して入賞するケースもあり、プログラム修了後も、仲間と切磋琢磨しながら継続的に技術力向上に取り組んでいます。
【Waffle Collegeテックキャリアコース 2024年度(第3期)の実績】
2024年度は約5ヶ月間のプログラムに35名が参加し、30名が修了しました。学生からの要望および実業界からのAI開発・データ分析等のニーズに対応するため、主なプログラミング言語をJavaScriptからPythonに変更。Project Based Learning形式でブログシステムを構築する授業を実施しました。また、新たにAIについて学ぶ授業を追加し、ChatGPTのプロンプト設計やOpenAI APIを活用した演習を行いました。
2024年度の成果は、以下のとおりです。
・プログラム参加者のうち57.1%が文系学部からの参加者
参加者の57.1%は、文系学部から参加(学芸学部、経済学部、文学部、総合政策学部など)。
・30人の修了者が、合計21件のインターンシップ・内定を獲得
IT職種、特にソフトウェアエンジニアリングの職種をメインとして、インターンシップ14件(株式会社サイバーエージェント、株式会社リクルートホールディングス、株式会社メルカリ、株式会社NTTデータ信越など)、内定7件の合計21件を獲得しました(2025年6月時点)。
・40%の学生がリーダーシップ発揮意欲を向上
プログラムを通じて、修了した30名中12名(40%)が「自分は様々な活動においてリーダーになる権利がある」という質問への回答数値を向上させ、自分らしいリーダーシップへの自信を深めました。
2024年度 Waffle College テックキャリアコース インパクトレポート(https://waffle-waffle.org/2025/03/03/college2024report/)も合わせてご覧ください。
【Waffle College 第4期テックキャリアコース 募集要項】
1)対象者・参加条件:
・国内外の大学・大学院・短期大学・高等専門学校・専門学校などに在籍する、性自認が女性およびノンバイナリーの18歳以上の方
・プログラムの性質上、社会人経験者の方は対象外
・学部・学科専攻などは不問(文系の方も大歓迎です)
・日本語でのコミュニケーションが可能な方
・Waffle主催のオンライン無料説明会への参加が可能な方
・平日夜や土日(日本時間)に開催される、講義に必ず参加できる方
・最低でも、週20時間の学習時間を確保できる方
2)募集人数:合計30名(予定)
エントリーにあたっては、書類・課題・面接による選考があります。
3)スケジュール:
2025年6月27日(金)〜2025年7月9日(水) 説明会期間
2025年7月22日(火) 選考応募締め切り
2025年7月23日(水)〜2025年8月4日(月) 選考期間
2025年8月5日(火) 合格発表
2025年8月6日(水)〜2025年8月11日(月) オンボーディング
2025年8月12日(火) 入学式
2025年8月13日(水)〜2026年1月16日(金) プログラム実施期間(週1、2回の授業に参加)
2026年1月17日(土) 修了式
4)開催方式:オンライン(一部東京開催、遠方の方は交通費補助あり)
5)費用:無料
【協賛・支援企業】
本プログラムの提供にあたっては、以下の企業にご支援いただいています。
・キンドリルジャパン株式会社
・サイボウズ株式会社
・ユニアデックス株式会社
【特定非営利活動法人Waffle(ワッフル)】 https://waffle-waffle.org
誰もがテクノロジーの世界で活躍できる社会の実現を目指し、女性のエンパワーメントと社会構造そのものの変革に取り組むNPO法人。中高生を対象とした無料のWebサイト制作コース「Waffle Camp」や、国際的なアプリ開発コンテスト「Technovation Girls」への日本国内出場支援、企業と連携した各種イベントの開催、大学生・大学院生向けキャリア支援・テック教育プログラム「Waffle College」など、多様な教育プログラムを展開している。さらに、「経済財政運営と改革の基本方針(通称:骨太の方針)」をはじめとする政策への提言を通じて、社会構造の是正にも積極的に取り組んでいる。2020年第4回ジャパンSDGsアワード「SDGsパートナーシップ賞」受賞。主な著書に『わたし×IT=最強説』(リトルモア刊)がある。
(*1)Waffle Collegeは、学校教育法上で定められた正規の大学ではありません。
(*2)主な対象は、大学・大学院・短期大学・高等専門学校・専門学校などに在籍する性自認が女性およびノンバイナリーの方です。研修の性質上、社会人経験者の方は対象外です。
(*3)世界経済フォーラム「The Future of Jobs Report 2025」(https://www.weforum.org/publications/the-future-of-jobs-report-2025/digest/)
(*4)OECD「The Pursuit of Gender Equality: An Uphill Battle」(http://www.compareyourcountry.org/gender-equality/en/0//default/)
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