世界最大級の女子中高生向けアプリコンペ「Technovation Girls 2023」のインパクトレポートを発表 ~ITで社会を変えられるという自信や、問題解決能力やプレゼンテーション能力も向上~
IT分野のジェンダーギャップの解消を目指す特定非営利活動法人Waffle(東京都港区、理事長:田中 沙弥果、以下Waffle)は、女子およびジェンダーマイノリティを対象とした、世界最大級の中高生向け社会課題解決型アプリコンペティション「Technovation Girls 2023(テクノベーション・ガールズ)」の日本国内におけるインパクトレポートを発表します。
2023年度は、過去最多となる39チーム156名の中高生が4ヶ月間にわたるプログラムを修了し、8チームがグローバルコンペティションのセミファイナルに選ばれました。
加えて、地方からの参加を促進する各種施策を実施し、参加者の出身県は昨年度の24都道府県から大幅に増加し、35都道府県となりました。
Technovation Girlsは、米国のSTEM教育NPO「Technovation」が主催する、次世代の女性IT起業家の育成を目的とした、アイディア・ピッチ(プレゼン)・技術力・起業家精神の4つを競い合う10代のためのテクノロジー教育プログラムです。
10〜18歳の中高生が最大5名のチームで、約3ヶ月間にわたり、自らが設定した社会課題をテクノロジーで解決する方法を議論し、その成果物としてアプリと事業計画を作り上げます。
Technovation Girlsは、2010年の開始から現在までに世界100か国以上、34,000名以上が参加しています。本プログラムの公用語は英語であり、公式の情報提供から提出物への記載に至るまで、すべて英語にて実施されます。日本では、2019年より日本リージョン公式アンバサダーであるWaffleが、他の教育系NPOなどとも連携しながら、世界大会への出場者を支援しています。また、世界大会とは別の独自プログラムとして、日本国内参加者を対象とした公式ピッチイベントを行っています。
Technovation Girls Japan Region 2023インパクトサマリー
Waffleは、プログラムを書けるようになるだけではなく、ITで社会を変えていく次世代のリーダーとなる女子およびジェンダーマイノリティの育成を目指しています。そのため、Technovation Girlsにおいても、既存の「理系学生」のイメージを超えて、より多くの中高生がITに興味をもち、「自分もITで社会を変えられる」という自信を醸成することをプログラムの主眼に据えています。
今回、プログラム内の「アプリ開発講座」への参加者のうち32.7%がプログラミング未経験であり、課題解決型のアプリコンペが、ITに興味をもつ中高生の裾野を広げることが明らかになりました。また、本プログラムを通じて参加者の55%はプログラミングへの自信が向上したと回答しました。
さらに、参加者の61%がイノベーション・課題解決のスキルが向上し、参加者の71%が「ビジネスを生み出し経営すること」の自信が向上したと回答しました。これらの回答から、本プログラムの参加者が「自分もITで社会を変えられる」という自信を身につけ、また社会を変えるリーダー候補として、問題解決能力やプレゼンテーション能力を向上できたと考えられます。
▼「Technovation Girls Japan Region 2023レポート」は、こちらからご覧ください。
https://waffle-waffle.org/wp-content/uploads/2023/07/TechnovationGirls2023_JapanRegionReport.pdf
▼Technovation Girls 2023日本公式ピッチイベントの模様は、こちらからご覧ください。
2023年度の取り組みについて
2023年度、日本国内においては、初心者の参加者であっても概念レベルでアプリ開発について深く理解できるようにカリキュラムを再構成した「アプリ開発講座」と、去年から開講した、4日間でチームでビジネスを考え発表する「ビジネス開発講座」を実施しました。また、自宅に自由に使えるパソコンなどの機器がない参加者には、パソコンとWi-Fiの無料貸し出しを行いました。
<アプリ開発講座>
ビジュアルブロックベースのモバイルアプリ構築フレームワーク「Thunkable」を使用した、3週間に及ぶアプリ開発講座を提供しました。2023年度は219名の学生が講座に参加し、最終的に172名がアプリ開発講座を修了することができました。また講座終了後のアンケートでは、IT関連(理系関連も含む)職業につきたいと考えている人数が約2倍に増加しました。
参加者の声:
「Technovation Girlsを受ける前は、プログラミングは難しくて好きではありませんでした。参加してからもやっぱり難しかったけど、とても楽しかったです。時間を忘れて没頭できました。プログラミングの楽しさを知れた人生でよかったです。」
「初めてアプリ開発を学び、刺激も学びも多い数週間でした。もちろん苦労はありましたが、自分が一所懸命に作った作品を見ることで大きな達成感を感じることができました。」
<ビジネス開発講座>
Technovation Girls Japanに参加するほとんどの参加者にとって、ビジネスを生み出すのは初めての体験であることから、昨年に引き続き、「ビジネス開発講座」を4日間、合計20時間以上かけて実施し、「社会課題を解決したい」という参加者の気持ちをビジネスとして形作るための一連のワークを行いました。
参加者の声:
「チーム内で意見が割れて、なかなか進まなかったり、厳しいフィードバックをもらって、何度も何度もピッチを考え直したりしたけど、その過程含めてすべてがいい思い出になったし、一種の社会経験をさせていただく良い機会になったと思う。」
<ハード面でのサポートの実施(パソコン・Wi-Fi無料貸し出し)>
日本の15歳のパソコンの使用率は2009年から2018年にかけて、48%から35%に低下しており、OECD諸国の中で唯一低下しています*。このような現状を踏まえ、Technovation Girls 2023のスポンサー企業であるレノボ・ジャパン合同会社の協力などもあり、合計76台のパソコンの無料貸し出しを行いました。今後も、プログラミング教育の拡充においては、ハード面でのサポートも必須であると考えており、「Technovation Girls 2024」においても多くの参加者に機会を届けるため、スポンサー企業ならびにパソコンを貸し出していただける企業を募集しています。ご興味のある企業の方は、tg-japan@waffle-waffle.orgまでご連絡ください。
* https://www.digitaljapan2030.com/_files/ugd/c01657_fcaed21f58bb4c429cb460ce788b82c4.pdf
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