台湾教育部代表団が来訪 – ジェンダー平等とSTEM教育の未来について意見交流
2025年11月25日(火)、台湾教育部国民及び学前教育署(教育文化政策に関する業務全般を担当する官庁)の教育関係者やユース代表の皆さんとWaffleのメンバーが、ジェンダー平等とSTEM教育について意見交流を行いました。
今回の訪問は、台湾教育部による2週間の派遣プログラムの一環として実施されました。参加者は、元高校教師、市政府の協力委員、人権教育委員会代表、人権団体で活動する方、大学で子どもの権利擁護団体に所属する学生など、ジェンダー平等や若者政策、教育分野で活躍する多様なバックグラウンドを持つ方々が集まりました。

台湾では、2004年に「ジェンダー平等教育法」が制定され、20年以上ジェンダー平等教育を推進してきました。しかし、台湾のシリコンバレーとも言われる、科学技術産業の集積地である新竹サイエンスパークでも女性研究者の割合が低いという現状があります。
日本では、女子生徒が数学・理科で男子と同等以上の成績を収めているにもかかわらず、大学のSTEM分野に進学する女子学生はわずか5%。高校での文理選択や地方と都市部の教育格差など、構造的な課題があることをWaffleメンバーから共有しました。
台湾では、国家科学技術委員会による女性研究者支援(年間約100億円)、教育部による女子学生STEM支援など、制度的なサポートを展開しています。特に印象的だったのは、22自治体に設置されている「ユースカウンシル(若者議会)」の存在です。若者が政策提案を行い、行政が回答義務を負うという仕組みに、Waffleメンバーも強い関心を示しました。

Waffleからは、教育プログラムの設計や地方展開の工夫を紹介しました。女子生徒は同じ成績でも自己効力感が低いというデータを踏まえ、小さな成功体験を積み重ねるステップバイステップのアプローチや、Waffleのプログラムでも導入しているロールモデルの重要性を共有。また、福井県で行っている高校生向けの「ふくいGirls未来のテックリーダープロジェクト」とWaffle Campの連携事例など、日本国内の好事例を紹介しました。
Waffleのインターンでプログラム卒業生からは、台湾のシビックテックハッカソンに参加した経験を共有。「台湾のエンジニアが社会問題や民主主義に情熱を持って取り組む姿勢に触発された」と語りました。

ジェンダー平等とSTEM教育の課題は、日本も台湾も共通しています。今回の交流を通じて、地域を越えて知見を共有し、互いに学び合うことの重要性を改めて実感しました。
今後もWaffleは、さまざまなパートナーとの連携を深めながら、日本におけるテクノロジー分野のジェンダーギャップ解消に取り組んでいきます。

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