清泉女学院中学高等学校にて、プログラミングや理系進路・キャリアに関する特別講義を3回実施しました
この夏、6月〜7月にかけて、神奈川県・鎌倉市の清泉女学院中学高等学校にて、中学1年生約180名に向けて、プログラミング講座の一環として、プログラミングや理系進路・キャリアに関する特別講義を3回実施しました。
清泉女学院中学高等学校は、理系の中では医療系を希望する生徒が多く、次の時代を牽引する工学系に興味をもつ生徒も増やしたいという考えのもと、今年度からプログラミングの授業をご支援しました。
授業内容
授業の目標としては、以下のような要素を組み入れました。
プログラミングへの根強いジェンダーステレオタイプを打破し、継続した学習やキャリア選択への意欲を高めることを目的に、中学校学習指導要領に示されている、以下3点の強化を図る。
(1)総則で挙げられている「特別活動を要としつつ各教科等の特質に応じて,キャリア教育の充実を図ること」
(2)技術分野で目標に掲げられている「よりよい生活の実現や持続可能な社会の構築に向けて,適切かつ誠実に技術を工夫し創造しようとする実践的な態度を養う」
(3)「情報の技術」について以下の2点を身につける。
①生活や社会,環境との関わりを踏まえて,技術の概念を理解すること。
②技術を評価し,適切な選択と管理・運用の在り方や,新たな発想に基づく改良と応用について考えること。
上記の授業目標を達成するために、全3回の授業は、以下の構成で実施しました。
1回目:「わたし×IT=最強説」講演 & SDGsの課題をテクノロジーで解決するアイデアワークショップ
2回目:プログラミングの授業
3回目:企業で働く女性技術者によるキャリア講演会
一回目は、Waffle 代表の田中による講演を実施し、さまざまな分野にテクノロジーが関わることや、生徒の皆さんと同世代で、実際にプロダクトを開発している人たちを紹介しました。その後、SDGsの17の目標をテーマにチームに分かれていただき、それぞれの課題をどのようなテクノロジーで解決するかアイデアを各チームでまとめてもらいました。
生徒の皆さんからは「Waffleに出会う前は、プログラミングなどのITを使う仕事や作業に興味がなかったし、主に男性が行う仕事だから、頭のいい人でないと難しいなどと勝手に思い込んでいました。『わたしxIT=最強説』の講演会・ワークショップを受けさせていただき、『こんなに女性が活躍しているのか!』とか『そもそも女性が発明したものなんだ!』など多くの発見や学びがあり、IT系の将来に興味を持てました。」という声があがりました。
二回目は、Waffle festivalでもワークショップを実施し、好評だった小芝 美由紀 さん(株式会社スマートバンク エンジニア)を講師に、メンターとして鳥井 雪さん(株式会社万葉 エンジニア)にお越しいただき、プログラミングの授業を実施しました。題材は、クリエイティブコーディングで、プログラミングを使って絵を描くです。
生徒からは、「プログラミングは、難しそうだと思っていたけど、案外簡単で、触れやすかったです。身近なものでも、プログラミングを活用しているのかなと思いました。
コンピューターに指示すれば動いてくれ、綺麗な花ができて楽しかったです。」という声があがりました。
三回目は、生徒の皆さんにリアルな女性エンジニアのロールモデルをご紹介したく、トヨタ自動車株式会社にご協力いただき、まさにいま現場で活躍されている女性エンジニア(デベロッパー)・デザイナー2名にお越しいただきました。そのキャリアの変遷や現在の仕事の醍醐味などについて、生徒の皆さんに伝わるようにさまざまな具体例を出していただき、90分に渡るインタラクティブな講義を作り上げていただきました。
モビリティカンパニーへと進化を遂げるトヨタ自動車株式会社内で、元々はIT技術職ではなかったお二人がゼロからエンジニアを育成する社内プログラム・DIG (Digital Innovation Garage)に参加され、今やエンジニアやデザイナー、ディベロッパーとしてキャリアを変革させたストーリーを紹介いただき、会場で聴講していた生徒からは、
トヨタ自動車株式会社のイメージとして、 ”車屋さん”、”忙しそう”、”接客”などのワードが最初は上がっていましたが、「エンジニアの具体的な仕事の内容が想像できた!」「プログラミングは一人でカタカタやるイメージだったが、お話を聞いてペアプロなどもあり、興味を持てた!」など、具体的な感想が聞かれるようになりました。
授業後のアンケート結果
授業後のアンケート(中学1年生180人のうち102名が回答)結果では、理工系・プログラミングへの興味が大きく向上しました。
もともとプログラミングや工学部のイメージや興味がない中で、3回の授業でも、さまざまな工夫で理工系やプログラミングへの興味関心度を大きく向上することができました。
まとめ
Waffleは、はじめて社会とプログラミングの繋がりを理解し、自分でもやってみたらできるという自信を醸成し、女性技術者のロールモデルと話すことでキャリアの解像度をあげるという内容は、理工系女性を増やす取り組みの上で重要と考えています。
今後も、IT分野のジェンダーステレオタイプを取り除くため、ハンズオンの経験と女性のロールモデルを魅せ続けられればと思います。
今回ご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。
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