【国際ICTガールズ・デー】「チャンスがあるなら、全部やってみる。」文系寄りの高校生が、テクノロジーで起業の夢をつかみにいく話

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【国際ICTガールズ・デー】「チャンスがあるなら、全部やってみる。」文系寄りの高校生が、テクノロジーで起業の夢をつかみにいく話


神崎 心さん/静岡大学 情報学部 情報科学科 1年生/Technovation Girls 2024 Lenovo賞受賞


4月23日(木)は、国際ICTガールズデー。テクノロジーに挑戦するすべての女子を応援するこの日に、Technovation Girls 2025に参加した神崎 心さんのストーリーをお届けします。

「国語が好きで、どちらかといえば文系かな」と思っていた高校生が、Technovation Girlsでプログラミングに初挑戦。そこでつかんだ「テクノロジーと起業がつながる」という気づきが、今の神崎さんを動かし続けています。

※神崎さんは、林屋 実希さん(こちらの記事)のチームメンバーです。


「とりあえずやってみるか」——すべての始まりはお母さんの一声

もともと国語が得意で、「自分は文系かな」と感じていた神崎さん。工業高校への進学も、Technovation Girlsへの参加も、最初のきっかけはお母さんでした。

「最初は、お母さんが、ネットでいろいろと経験になりそうなものを探してくれていて。『これ向いてるんじゃない?』って紹介してくれるんです。それを、じゃあやってみようかなと受け取って飛び込んできた感じですね」

進学した高校は第一志望ではなかった。でも気づいたら、そこで出会ったものが今の自分の土台になっていました。プログラミングは全くの未経験。Technovation Girlsへの参加も、軽い気持ちからのスタートでした。


締め切りギリギリまで通話をつなぎながら——チームで走り抜けた日々

Technovation Girlsでは、神崎さんはコーディング担当として、車椅子ユーザーと駅員をつなぐアプリ「SmooPe」の動く部分を作り上げる役割を担いました。アプリ開発のアイデアは、同じチームの林屋実希さん自身が車椅子ユーザーとして日々感じてきた課題から生まれたものでした。

「使い方が全然わからなくて、直しても『あれ、また動かなくなった』みたいなことがすごく多くて。締め切りギリギリまで林屋さんと通話をつなげながら『終わらないかも、ヤバい』ってずっとやってたのが、辛かったけどすごく楽しくて、いい経験だったなって思います」

全国各地から集まったメンバーがそれぞれの強みを持ち寄りながら一つのものを作り上げていく。「一番よかったのは友達が増えたこと。画面上でしか会ってこなかった仲間と、東京で初めて顔を合わせた時も、もう全然友達みたいな感じで会えて」——その経験は、今も大切な宝物になっています。


「え、選ばれた?」——衝撃のファイナリスト選出とLenovo賞

Technovation Girlsのファイナリストとして、東京で開催されるピッチイベントへの進出が決まった時、チームは別々の場所にいました。

「オンラインで発表があって名前が呼ばれた時に、本当に衝撃で。急いでスクリーンショットを撮って『選ばれたよ!』ってメッセージを送ったら、みんな『え?え?』みたいな、信じられないという反応で(笑)。東京に行くことが決まってからは絆がさらに深まって、練習しまくって挑みました」

忙しい中でカツカツの準備を続けたチームにとって、それは本当に予想外の結果でした。課題に真剣に向き合い続けた姿勢が、ピッチイベントでのLenovo賞の受賞という形で報われた瞬間でした。


発表の時だけ、「別の人格」になれる

Technovation Girlsでの経験が最も大きく変えてくれたのは、プレゼンへの向き合い方だったと神崎さんは言います。

「3分間の発表を何度も練習して、大勢の前で話し続けたことで、発表する時だけ本当に別の人格になれる感じがして。緊張はするけど、自分100でいけるようになって。そっから人前で何か出すことが結構好きになりました」

学校の発表では自分だけが毎回3分ぴったりに収められるようになった。苦手だった発表が、今では自分の強みに変わっていました。Technovation Girlsでの経験を活かして、大学への合格を手にしました。


Technovation Girlsが変えた「テクノロジーと起業がつながる」という気づき

Technovation Girlsがもう一つ教えてくれたことがありました。アプリを世の中に出すためには、お金のこと、企業との連携、ビジネスの仕組みを考えなければならないということ。

「もともとずっと起業に興味があったので、Technovation Girlsで、『こういう感じで社会って成り立ってるんだ』とか、『こうやって企業と連携するんだ』っていうのを初めてリアルに考えることができて。アプリ開発なら選択肢を広げられると思えたことが、情報系に進んだ一番の理由です」

テクノロジーを学ぶことは、コードを書く技術を身につけることだけではない。それを使って社会に何かを生み出すための手段になる。その気づきが、神崎さんの進路を決めました。今は静岡大学の起業家育成プログラムへの参加も見据えながら、「将来、人の役に立てるものを作りたい」という夢に向けて学び続けています。


Technovation Girlsが終わった後も、作り続けた

一つ、印象的なエピソードがあります。Technovation Girls終了後、神崎さんは学校の課題研究でSmooPeのテーマを引き継ぎ、今度はテキストコーディングで一から作り直し始めました。

「完成したら、林屋さんに使ってもらおうと思って。共有できる形に持っていくようには頑張っていました」

チームで一緒に走り抜けた仲間に、いつか自分が作ったものを使ってもらいたい。その気持ちが、高校3年間の開発を支え続けました。Technovation Girlsだけで終わらない、その継続こそが神崎さんのストーリーの核心かもしれません。


次世代へのメッセージ

「チャンスがあるなら、全部やってみる。」

最後に、これからTechnovation Girlsや他のプログラムに参加しようか迷っている人たちへ、神崎さんからこんな言葉がありました。

「チャンスがあるなら、全部やってみてほしいです。『どうしようかな』と迷っているうちにやらずに終わって、後から『あー、やればよかったな』と思うくらいなら、とりあえず飛び込んでみる。たとえうまくいかなくても、仲間はできるし、何かしら得られるものは必ずある。今は関係なさそうに思えることでも、後になってどこかで役に立つことって、意外とあるんです。Technovation Girlsは無料で参加できる、本当に貴重な機会。せっかくなら、自分の人生の糧にしてやるくらいの気持ちで、ぜひ飛び込んでみてください」

「とりあえずやってみるか」という一歩が、知らなかった自分に出会わせてくれる。神崎さんのストーリーは、そのことを教えてくれます。